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小さな成功体験の積み重ねが変える。これからテスト自動化に取り組む方へ

GA Technologies QAチームマネージャー柿崎 憲 氏

Company
株式会社GA technologies
https://www.ga-tech.co.jp
Industry
Real State
Publish Date
Jun 11, 2020

株式会社GA technologies(以下、「GAテクノロジーズ」)は、市場規模40兆円と言われる「不動産×TECH(Prop Tech)」領域に挑むベンチャー企業。「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」というビジョンを掲げ、紙、FAX、電話などのアナログなものが残る不動産業界に対し、デジタルに置き換えることで生産性を高め、業界変革を進めている。

そのような会社だからこそ、デジタルを用いた自動化への取り組みも盛んだ。開発チームに留まらず、バックオフィスの業務自動化も積極的に進めるカルチャーがあるという。

そのGAテクノロジーズのQAチームマネージャーを務める、柿崎 憲 氏(以下、「柿崎さん」)のソフトウェアテスト自動化を進めたプロセス、Autify導入の効果を伺った。

Kakizaki


ーまずはじめに、柿崎さんの業務について教えてください。

柿崎さん: 「私は、GA technologiesのQAチームのマネージャーを務めています。その中でも主に、当社が提供する不動産テック総合ブランド「RENOSY」を担当しています。RENOSYは、旧来の不動産営業では当たり前だった、しつこい電話勧誘のようなものは一切なく、お客様がWEBサイトに訪問し、興味のある物件があれば問い合わせを行うことで不動産物件の詳細を知ることができるといったサービスです。

ー WEBサービスのQAとのことですが、Autify導入前に、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

柿崎さん: 「開発組織が立ち上がってから4年ほど、まだ比較若い会社であったこともあり、知らない間に “お問い合わせフォームが落ちている”、”サイトの見た目が崩れていてそもそもフォームまでたどり着けない”、といった問題が頻繁に起こっていました。 それ以外にも問題が多発していて、とにかく品質を高めないと、テストを自動化しないと追いつかない、という状況でした。 ただ、新しい企画やプロダクトがどんどん作り込まれている中、プロダクトのアップデートを

Kakizaki

追従し、重要部分のマニュアルテストをこなすので精一杯。テストの自動化まではなかなか時間が取れずにいました。

- 自動化って一歩進んで二歩下がるみたいなところありますよね..。Autifyをご検討いただく以前は、どのようなテスト自動化の取り組みを行なっていたのですか?

柿崎さん:Seleniumや、cypressのようなコーディングベースで使えるE2Eテストツールを試したりはしたことがありました。1,2年ほど、様々な方法を模索して試し続けていたかと思います。 ただ、環境構築がめちゃくちゃ手間で、動作も遅い、ドキュメントがない、など、とにかく心が折れることが多くて。ただでさえ時間が取れない中で、この自動化を推し進めることはできない、二進も三進もいかない状況になっていました。

ー その解決のためにAutifyを選んでいただいたのですね。導入の決め手はなんだったのでしょうか?

柿崎さん:当社のサービスは、商材の特性上、Internet Explorer (以下、「IE」) を使ってサイトにアクセスするお客様が多く、またそのお客様のコンバージョンレートが非常に高い。IEを使ったテストを実施することが必須でした。ただ、このIEのテストを自分たちでやろうとすると、とても難しい。実機を準備するという点はもちろん、もしテストが失敗した場合の原因調査のことを考えると、とてもじゃないですが対応できるものではありませんでした。 一方で、AutifyはIEもサポートしているという。しかも、IE用の個別のテストシナリオを作る必要がない。デモを見てテストシナリオの作りやすさもわかり、「これだ、求めていたやつだ!」と直感しました。

- クロスブラウザでのテスト環境を整備するのも運用するのも非常に手が折れますよね。AutifyではそのあたりをすべてAutify側で吸収する、地雷はこちらで踏むからユーザーさんは踏まなくて良いようにと思って開発を進めています。

これまで1,2年かけても進まなかったテストの自動化、Autifyの導入で一気に解決

- 導入時につまづいたことはありませんでしたか?

柿崎さん:全くありませんでした。これまで二進も三進もいかなかったものが、一瞬で解決しました。一気に自動化が進んだのです。

- それはとても嬉しいです。他のチームメンバーはどうでしたか?

柿崎さん:Autifyのテスト結果画面を見せれば「あ、こういうことできるのね」と、一目瞭然です。特別な説明もいりませんでした。 GAテクノロジーズのQAチームは、現在7人です。このメンバー全員が誰でも好きなときに触れるよう、全員にアカウントを発行し、自由に使える環境を用意して開始しました。これまでにもSeleniumIDEの使用経験のあるメンバーもいたこともあってか、特別な啓蒙活動や教育活動は無しで、スムーズに使い始めることができました。

今振り返ってみれば、スモールスタートから始めたのがよかったのかもしれません。当時は、我々にとってはとても大きな一歩で、全くスモールスタートとは思っていませんでしたが(笑)。

- スモールスタートとはどういったことをされたのですか?

柿崎さん:もともと、当社が行なっていた自動テストは、pingをうってステータスコード200番が返ってくることを確認する程度。それに少し追加するような気持ちで、サイトのcssとか見た目も崩れていないよね、というところから始めました。その後、フォームで正しく問い合わせを確実に入れられるところ、といった流れで、徐々に幅を広げていきました。

- 確かに、特別難しいテストケースには感じませんね。それでも効果は十分にあったと?

柿崎さん:お客様がRENOSYにアクセスしてきて、必要な不動産情報を拾えて、お問い合わせができるっていう状態が24時間確実に担保されていますよ、という世界観を作れただけでも相当の価値がありました。

- 世界観をつくるお手伝いができたこと、とても嬉しく思います!

導入後の効果、環境構築のコストがゼロに、メンテナンス時間がたった15分に

- 実際に導入後、どのような効果が見えてきていますか?

柿崎さん:まず、テスト自動化をするための環境構築の時間、コストがゼロになりました。 テストのメンテナンスに使う時間もほぼなくなっています。

- メンテナンスはこれまでどういったことが発生していたのですか?

柿崎さん:Seleniumやcypressなどを使っていたとき、テストがうまく動かないことがあると、「よいしょ...」と重い腰をあげて、原因を調べます。 原因調査のためには、まず始めに、調査用の検証環境を用意し、そこにロールバックしたコードをデプロイし直して環境を構築すること。ここまでで3,4時間はかかりますが、これはやっと調査が始められる状態になっただけ。そこから、本当の原因調査が始まるのです。 原因調査も様々です。コードに問題があったのか、ブラウザ起因の問題なのか、探索を続けます。 例えば、必要なidが振られていないことが原因だとわかったとします。そうするとフロントエンドのチームにかけあって、該当部分にidを振ってもらって、そのidが他に悪影響しないかも追加で確認して...って。結果、途方もない作業時間が発生します。この流れを一度経験してしまうと、そもそも原因調査をすること自体が嫌になっていきます。

- Autifyだとこの原因調査がいらなくなったということですか?

柿崎さん:正しく言うと、原因調査が圧倒的に楽になりました。 もちろんidなんかを指定する必要もありませんし、ちょっとした変更点は自動的に見つけてきてくれます。 Autify上で、「要確認」とステータスが表示されるので、そこを確認してポチッとボタンを押すだけで、シナリオが修正されます。

- 結果として、メンテナンスにかかる時間はどのくらいになったのでしょうか?

柿崎さん:1つの問題に対して数時間、または数日かけていた作業が、15分/日程度の確認の時間をとるだけで運用できるようになりました。これも実際には毎日ではない。メンテナンスフリーで運用できてしまっています。めちゃくちゃ楽なんです。

- 柿崎さんたちの時間を作れていることがとても嬉しいですね。それ以外にも何か効果はありましたか?

柿崎さん:当社では、サイトのA/Bテストを行なっています。A/Bテストを回して反応がよかったらそれを採用する、それを結構なサイクル、パターンで回しています。AutifyはこのようなA/Bテストについても確実に拾ってきてくれます。 最近、組織規模が大きくなってきていて、自分が与り知らない変更点も出てくるようになりました。そういったときに「お、ページリニューアルしたんだな、問題なく動いているな」っていうのをAutify経由で知れるのです。もともと求めていたテストの自動化以上の効果まで得られています。

- コスト的にはどうでしょうか?

柿崎さん:それこそ、テスト自動化って一般的に4回まわせばコストとしてはペイするという話があります。その点では導入してすぐにペイしました。繰り返しのものは迷うことなくAutifyに振ってしまっています。 先ほどのとおり、GAテクノロジーズは様々な企画を次々と行なっています。作っては捨てる、といったこともあります。自分たちはこういった1回しかやらないけれど、スピーディに対応しなければならない方の、本来あるべき品質の向上に集中できるようになっています。これは、とても大きな効果だと感じています。

- 本来のQAの業務に注力できるようになったことがとても大きいということですね。

Kakizaki

「小さな成功体験の積み重ね」が変える。これからテスト自動化に取り組む方へ

- ソフトウェアテストの自動化への取り組みは新しいものだと思いますか

柿崎さん:Autifyに代表されるような簡単に自動テストを作れるツールが出てきているので、テスト自動化っていうトピックってすでにコモディティ化、一般化されている、当たり前だと僕は思っているんです。

- なるほど。柿崎さんとしてはその次を目指していく、と?

柿崎さん:当たり前のその次はどういう風にしていくのだろうかということを考えています。もう、5Gも出てきていて取り扱えるデータの量が飛躍的に増えていっている現状で、僕としては、テストを自動化させて出てくるログをどこかに貯めておいて、分析して、前のめりで品質改善をしていけるようなサイクルを作っていきたい。

例えばバグの傾向とか、そもそもそれが起きないようにする対策を事前に知って開発に役立てるということを考えています。

- そんな柿崎さんから、これから自動化に取り組む方にメッセージをお願いします。

柿崎さん:「自動化」というものに踏み切れない方の多くは、自動化のゴールがものすごい遠くにあるんじゃないかなって思います。よく、世間にでてくる情報って割と仕上がったものが多いですし、僕も、もともとはそういうイメージを持っていたので、その気持ちはとてもよく分かります。 ただ、GAテクノロジーズにジョインしてから、Autifyに出会ってからそれはガラリと変わりました。

10個の手作業の内、2,3個だけでも自動化できたら、それだけで目の前の世界観は変わります。

繰り返しになりますが、僕たちの場合は「ステータスコード200と画面崩れがないことが確認する」というところから始まりました。そんなことわざわざ...と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この小さな成功体験の積み重ねがあってこそ、今、確認作業はAutifyに任せて、新しいプロダクトや機能にフォーカスして、「どう品質を高めるか」という、本来QAとして考えるべきことに集中できる状況を手に入れることができています。

ぜひ「こんなにスモールなことでも、大きな安心感、成功体験を得られるんだ!」というところから皆様にも一歩踏み出してほしいな、と思います。

- これからのGAテクノロジーズさんのサービスのさらなる進化がとても気になります。柿崎さん、ありがとうございました。

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